追悼・柴田正勝さん
昨日届いたJPS調布支部会報「調布郵趣」292号に、元調布支部長・同顧問の柴田正勝さんの訃報が掲載されていました。数年前から外出ができない状態になっておられたと聞き及んではいましたが、昨年12月に逝去されていたと記事にあり、嗚呼ついに逝かれたのかと万感の想いがいたします。
上掲はかつて郵趣誌に登場された折に使用された、お孫さんと切手を楽しむ柴田さんの写真です。
柴田さんは実に健全な市民収集家のあるべき望ましい姿を具現化されたかのような存在であられました。短期間でコレクションを膨らませた成り上がりコレクターにありがちな野卑さは微塵もなく、長年にわたりこつこつと収集を続けてこられたであろうことを感じさせる品格がありました。写真のお孫さんに会いに、何度もご夫妻でアメリカにお出かけになり、その時の楽しい様子を支部例会席上でうれしそうにお話されていたことも思い出されます。
80歳を過ぎても闊達に行動され、シルバーの例会にも盛んに参加されていました。競争展で賞を競う大収集家ではありませんでしたが、かつての日本郵趣界には柴田さんのような人格者が数多おられ、それがひいては日本郵趣協会の屋台骨を支えておられたのです。
許可を得てこの写真をカシェに使わせてもらったのが「国際平和年記念切手展」のカバーです。調布郵便局からの依頼を受け、JPS調布支部初の切手展を調布市中央公民館(当時)で開催しました。パソコンもまだ普及していない時代で、ケント紙に写真を貼り付け、ロットリングで囲み線を引き、ワープロによる打ち出し文字とインスタントレタリングの貼り合わせで版下を組みました。それをプリントゴッコで製版し、1通ずつカシェを印刷したものです。確か200通位作ったような記憶があります。
鳩の切手や消印を収集している知人がおりますが、このカバーと小型印のことはついぞお話ししたことがありませんでしたね。リボンがついた手紙をくわえてはばたくハトを主題にしたこの小型印こそが、私がデザインした小型印の第1号であります。
これに写真撮影者の植松さん、写真のモデルの柴田さん、カバーおよび小型印デザインをした私、の3名の直筆サインを入れて大切に保存しています。22年も昔のことなのに、やはり、つい最近のことのように思い出されます。柴田さんのご冥福をお祈りいたします。
<追記>
なお、切手展終了後しばらくして郵趣サービス社のショウルームで下掲のカバーを目にして驚きました。こんな立派なカシェ入りカバーが作られていたなんて調布支部のメンバーは誰ひとりとして知らされていなかったからです。当時から在籍していたメンバーでも、このカバーは今初めて見たという人もいるかもしれません。
その時、きちんと確認しておけば良かったのですが、今となっては日本郵趣協会が作成したのか、郵趣サービス社が作成したのかまったくわかりません。中紙も入ってはいるものの製作者銘もありません。いずれにしても、JPS調布支部関連グッズ(笑)としては特上のレア・アイテムであると断言できます。
Comments
柴田さん、お亡くなりになったんですね・・(調布郵趣の該当箇所、見過ごしていて、今驚いて改めて確認しました)。おっしゃるとおり温和なまさに人格者で、長い間お世話になりました。さびしいですね。
国際平和年切手展とは、これまたずいぶん懐かしいものを・・。調布支部初の切手展で、中央公民館のミニギャラリーみたいなところでやったんでしたよね。目録を見ると「アフリカ諸国の切手」(JPS本部から借りた)」「日本の蝶」「趣味週間・文通週間」「新小判切手」「戦前記念切手」の全部で20フレームとあります。私は当時高3、受験直前でしたが、一般向けの趣味・文通作品(未使用中心)も新たに作って、計3作品も出しました。椙山さんもたしかまだ大学在学中でしたよね?ついこの前のようですが、あれから22年も経ちますか・・。
Posted by: DOCTOR | February 17, 2008 07:50 PM