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December 28, 2007

POST切手展

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椙山様
「POST切手展」カタログを進呈します。御査収ください。
「デザイン年賀」もそうなんですが、使う人の顔が見えてこないようなデザインが多く、正直あまりピンと来ない展示でした。是非プロの御意見をお伺いしたいと
ころです(笑)

というメッセージカード付きでPOST切手展のカタログを頂戴してしまいました。1冊3,000円もするので、こりゃあ速攻でブログに載せないとやべぇ・・・とびびってます。びびってますが、今のところ何も考えてないので、えー、打ち込みながら考えをまとめなくっちゃー、と焦ってます。

 この展覧会は純粋なデザイン展ということにとどまらず『日本郵政も民営化されたことだし、切手のデザインを、今まで以上に外部発注を増やしてもらいたい。ほれこの通り実力もありますがなー!』的な、大がかりなプロモーション活動でもあると理解しています。ですから「使う人の顔が見えてこないようなデザイン」という感想・印象はある意味正しくて、言い換えれば「デザイナーの主張が前面に出されているデザイン」が多いため、従来の切手に求められていた「郵便に使う」ことの意味合いが相対的に減じているわけです。それが同展の副題であります「郵便が変わり始めた。切手のデザインはどう変わる。」に象徴されています。
 現代日本の状況で言えば、全郵便物中における個人の信書の割合が5パーセントを切ってしまっています。それゆえ郵便番号制度が導入された昭和42年は、郵便番号宣伝切手が億単位で発行されていたのに、郵便番号7桁化の時はただの1種のキャンペーン切手も発行されませんでした。発行したところでPR効果が期待できないことを、当時の日本郵政がいちばんよく知っていたのです。皮肉ですね。
 さりながら個人が差し出す郵便量の減少は日本だけではなく世界的な傾向です。それが同じく皮肉なことに、切手のグラフィック表現の可能性を押し広げる環境となったと理解しています。以前は、実際に郵便物に貼って使われることが大きな制約となっていました。極端に派手な色彩は使えない、封筒に貼れないほどの大型切手は発行できない、といった類のことです。それが今や、郵便に使われることは無視できないものの、昔ほど厳格である必要がなくなったのです。実際に使われる絶対量が激減したから。
 POST切手展が謳っているように、日本切手のデザインも現実的に大胆に変わっていくことと思います。諸外国のように、デザインのみならずその発行形態も大化けし、いわゆる変り種切手、変形切手、面白切手もがんがん増えると思います。ですから、この切手展が普通のユーザーの理解を超えている部分があるのは良いことなのです。やはり「ちょっと先に行き過ぎ」的なデザインもないと面白くないし、将来性もないから。そこはそれ、モーターショーにおけるコンセプトカーみたいなもんですよ。実際に商品化されて公道を走らせる目的で作られたクルマではないけれど、だからといってそれがイカンわけではないでしょ?。それと同じことです。

 グラフィックデザインは、数あるデザイン分野の中でも最もアートに近い性格を持っています。ですから、ちょっとしたコツがありまして、鑑賞する時にはそのアプローチ方法を使うと効果的です。それはですね、言葉や理屈で「理解しよう」とするのではなく、芸術作品に接する時と同じく自分の感性で「感じよう」とすることです。色彩や構図などから発せられる空間感覚(=イメージ空間)を肌感覚で触れるように心がけると「理由はうまく説明できないが自分はこれが好きだ」とわかるようになります。音楽感覚で接する、みたいな感じですが、この例えはわかりますかねー???。
 それと、注意点もひとつ。昨今のデザイナーの多くは、エコだのなんのとやたらメッセージを込める悪い伝染病に冒されている人が多いので、それらのメッセージがウザったらしい時も多かろうと思いますので、あまり真に受けないで聞き流してください。都会に住み、自動車に乗り、製品が大量生産され、そのデザインを生業としていながらエコなんてチャンチャラおかしい話です。切手でエコを訴えるなんて大ばか野郎のすることです。本気でエコを実行するなら手紙なんか出さない(森林資源を使わない)のが一番いいんですから。
 山口県周南市のコンビナート群を眼前にし、ここで生産される大量の工業製品、その多くは扱い次第によっては自然破壊を惹起する強力な化学合成品であり、それらを輸出して外貨を稼がないことには外国から食料が輸入できない現実。樹脂アレルギーを薬で抑えてまでして造形デザインをしている私は、そのことをよーーーーっく知っています。コンビニがなければ生きていけないよーなヤツにエコを言う資格はないぞよ。はすっぱなエコなんざやめい!。

 話を元に戻しましょうか(笑)

 POST切手展は、実際にこんな切手ができたらいいな、というグラフィックデザイナーさんたちのイメージの遊園地だと思ってはいかがでしょう。郵便切手というステージ上で繰り広げられるワンダーランドです。そう思って空想世界に楽しく遊ぶ気持ちで鑑賞されることをお薦めします。

(追伸)
 同展のポスターは下手だね。展覧会のコンセプトがほとんど伝わってきません。ずいぶん損してると思います。キラ星のごとくデザイナーさんたちがいるのに、こんなしょーもないポスター、誰も止められなかったんですかね。

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