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June 2005

June 28, 2005

捕虜郵便制度制定

 最初は何かタチの悪い冗談かと思いました。戦前の話ならいざ知らず2005年の今、捕虜郵便制度が制定され、この4月1日から施行されていたことを今日になって知りました。
 いわゆる有事立法のひとつである「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律」が平成17年2月28日に施行されました。これに伴って捕虜の抑留等が想定されることになり、国内法の整備に合わせて改めて捕虜郵便制度が定められました。もっとも捕虜郵便に関しては既に「1929年ジュネーブ捕虜条約(俘虜の待遇に関する千九百二十九年七月二十七日の条約)」で定められていることから、本来は有事立法ウンヌン以前に明文化されていなければならないものでした。
 いずれにしても2005年(平成17年)4月1日から「国際捕虜宛または捕虜が差し出す郵便物は原則無料で、それ以外の捕虜宛または捕虜が差し出す郵便物の郵便料金は半額。」が施行されました。「小包はどうなのか?」など不明な点もたくさんありますので、興味のある方はぜひ詳しく調査して郵趣誌に発表してください。

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【総務省・報道資料より/平成17年2月28日付】
郵便に関する料金の変更及び郵便約款の認可

 総務省は、日本郵政公社から平成17年2月17日付けで申請があった郵便法(昭和22年法律第165号)第75条の2等の規定による内国郵便に関する料金の変更の認可及び郵便約款の認可について、本日、郵政行政審議会(会長:森下洋一松下電器産業株式会社会長)に諮問し、同審議会から諮問のとおり認可することを適当とする旨の答申を受けました。
 本件に係る認可は、本日行う予定です。
 また、同公社から平成17年2月17日付けで申請があった、これらと同様の趣旨による郵便法第75条の2の規定による国際郵便に関する料金の変更の認可についても、本日行う予定です。

1 認可申請の趣旨

 武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律(平成16年法律第117号。以下「捕虜等取扱法」という。)が本年2月28日に施行されることに伴い、我が国においても捕虜の抑留等が想定されることとなる。
 捕虜等が発受する郵便物については、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(昭和28年条約第25号。以下「第三条約」という。)、戦時における文民の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約(昭和28年条約第26号。以下「第四条約」という。)、万国郵便条約(平成12年条約第9号)の関係規定において郵便料金を免除する旨定められている。
 郵便法(昭和22年法律第165号)第13条においては「郵便に関し条約に別段の定のある場合には、その規定による」旨規定されているが、捕虜等取扱法の施行に合わせて、捕虜等が発受する郵便物等の料金免除を実施するため、郵便に関する料金及び郵便約款について、必要な措置を講じるもの

2 認可申請の概要

(1)郵便に関する料金の変更
ア 内国郵便に関する料金の変更(審議会諮問案件)
  内国郵便の通常郵便物等の料金について、捕虜等が発受する郵便物の料金免除を規定している第三条約等の規定によるべき場合は、料金を免除する旨の規定を追加
イ 国際郵便に関する料金の変更
  国際郵便の通常郵便物(書状、郵便葉書及び点字郵便物に限る。)等の料金について、捕虜等が発受する郵便物の料金免除を規定している第三条約等の規定によるべき場合は、料金を免除する旨の規定を追加

(2)郵便約款の制定
ア 内国捕虜郵便物の取扱いに関する郵便約款の制定(審議会諮問案件)
  第三条約等の規定により料金が免除される内国郵便物の役務の提供条件について、捕虜等が差し出す郵便物の差出場所を限定すること、内国捕虜郵便物にはその旨を示す表示を義務付けること等を規定
イ 国際捕虜郵便物等の取扱いに関する郵便約款の制定(審議会諮問案件)
  第三条約等の規定により料金が免除される国際郵便物の役務の提供条件について、対象郵便物を限定すること、捕虜等が差し出す郵便物の差出場所を限定すること、国際捕虜郵便物及び国際被抑留文民郵便物にはその旨を示す表示を義務付けること、小包郵便物の亡失等について日本郵政公社は責任を負わないこと等を規定

3 実施年月日 平成17年2月28日

(参考)
 認可を要しない小包郵便物等の料金についても、捕虜等が発受するものについては免除することとし、平成17年2月28日から実施する旨、平成17年2月17日に日本郵政公社から届出が行われている。

◆内国郵便関係担当部署:総務省郵政行政局郵便企画課
◆国際郵便関係担当部署:総務省郵政行政局郵便企画課国際企画室

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【1929年ジュネーブ捕虜条約(俘虜の待遇に関する千九百二十九年七月二十七日の条約)より抜粋】

第四款 俘虜と外部との連絡
<第三十五条>
(外部との連絡に関する措置の公表)戦争開始後直に交戦者は本款の規定の実施に関し定められたる措置を公表すべし
<第三十六条>
(信書及郵便葉書に依る通信)各交戦者は各種類の俘虜が一月内に発送することを許さるべき信書及郵便葉書の数を定期に定め之を他の交戦者に通告すべし該信書及葉書は郵便に依り最短路に従ひ送付せらるべし懲罰的理由を以て此等郵便物を延著せしめ又は抑留することを得ざるべし
各俘虜は收容所到着後遅くも一週聞以内に及病気の場合に同様に其の家族に宛て捕獲及健康状態を報知する為郵便葉書を発迭することを許さるべし該郵便葉書は成るべく速に送付せらるべく且何等の方法を以てするを問はず遅滞せらるることなかるべし
通則として俘虜の通信は其の母国語を以て書かるべし交戦者は他国語に依る通信を許すことを得べし
<第三十七条>
(小包郵便物の接受)俘虜は其の食用又は被服に供する為の食料品及其の他の物品を含む小包郵便物を個人的に受領することを許さるべし小包は受取証と引換に名宛人に交付せらるべし
<第三十八条>
(郵便料金の免除)直接又は第七十七条に規定する情報局を通じて俘虜に宛てられ又は其の発したる信書、金錢又は有価物の送付及小包郵便物は差出国、名宛国及通過国に於て一切の郵便料金を免除せらるべし
(贈与品及救恤品に対する税金及運賃の免除)同様に俘虜に宛てたる贈与品及救恤品は輸入税其の他の諸税及国有鉄道の運賃を免除せらるべし
(電信の発送)俘虜は承認せられたる急用の場合には通常の料金を支払ひて電信を発することを許さるべし
<第三十九条>
(書籍の接受)俘虜は個人的に書籍の送付を受くることを許さるべく該書籍は検閲せらるることを得べし
(図書室用著作物の接受)保護国及公認救恤団体の代表者は俘虜收容所の図書室に著作物及書籍集を送付することを得べし
検閲の困難を理由として該送付物を図書室に交付するを遅延せしむることを得ざるべし
<第四十条>
(通信の検閲及小包郵便物の監督)通信の検閲は成るべく速に為さるべし尚小包郵便物の監督は小包の包含することあるべき食料品の保存を確保するに適する条件の下に且出来得れば名宛人又は名宛人に依り正当に認められたる信任者の面前に於て為さるべし
(通信の禁止は一時的たるべし)軍事上又は政治上の理由に依り交戦者の発令する通信の禁止は一時的の性質のみを有し得べく且出来得る限り短期間たるべし
<第四十一条>
(文書の送達)交戦者は俘虜に宛てられ又は其の署名したる証書、文書又は記録特に委任状及遺言状の送達に一切の便宜を与ふべし
(公証事務)交戦者は必要ある場合には俘虜の為せる署名の公証を確保するに必要なる措置を執るべし

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June 19, 2005

新刊案内:反米の世界史

050619

 郵便学者の内藤陽介さんから新刊書のインフォメーションを送って頂きましたのでご紹介致します。(椙山)

 さて、このたび、講談社現代新書の1冊として『反米の世界史』を上梓いたしましたので、ご案内申し上げます。
 19世紀の末から20世紀を経て現在にいたる100年余の年月を通じて、アメリカ合衆国は、政治・経済・文化のあらゆる領域において世界的な影響力を拡大していきましたが、その必然的な副作用として、彼らは世界各地でさまざまなレベルの抵抗に直面してきました。それが先鋭化し、アメリカとの直接的な軍事的衝突という結果にいたった例も少なくありません。その意味では、“アメリカの世紀”と呼ばれた二十世紀を“反米の世紀”と読み替えることも可能なはずです。
 『反米の世界史』は、そうした、アメリカと激しく敵対してきた過去を持つ国や地域の視点から、アメリカが世界の覇者となっていく過程を描き出したもので、200点を越える切手・郵便物の図版の中には、以下のようなモノも含まれています。

 ・縛り首にされるアメリカ黒人の姿を描いたソ連の宣伝絵葉書
 ・太平洋戦争中、日本が神風の到来を願って発行した“敵国降伏”の切手
 ・ニクソンを名指しで非難した北朝鮮の切手
 ・アメリカ大使館人質事件を記念して発行されたイランの切手
 ・劣化ウラン弾に苦しむイラクの子供が取り上げられた切手
 ・フランスがアメリカの中東政策を批判する意図を込めて発行した切手

 切手は国家のメディアである——「郵便学」を武器に、“アメリカの大義”が席捲した20世紀の実像を、ソ連・イラク・北朝鮮・・・という“反米国家”の側から鮮やかに描き出す問題作!。詳しくは、下記HPもご覧ください。

【講談社・出版案内】
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1497901
【郵便学者・内藤陽介のブログ】
http://yosuke-naito.ameblo.jp/

※注:上記図版は私、スギヤマの好きな反米切手です(^_^;

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June 18, 2005

大当たりのワールド・トピックス頒布会

050618

 郵趣サービス社さんのワールド・トピックス頒布会に入っています。改めて調べましたら1989年に入会していました。あっと言う間のような気がしますが今年で16年目にもなるのですねえ。感慨深いです。今月も3点が届き、そのすべてが大当たり!。いずれもたいへん良いセレクションでした。

 (図版は左から)
 ・チャールズ皇太子再婚/小型シート(イギリス)
 ・日本による食糧生産援助20年/6種連刷シート(ブータン)
 ・連帯アジア津波救済(フランス)

 チャールズ皇太子再婚小型シートは今年の欠くべからざるトピックス切手の筆頭です。シート地下部に結婚式の日付である4月8日と入れられていますが、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の葬儀と重なったため表示はそのままで発売日のみ急きょ翌9日に変更になったというエピソード付きです。チャールズ皇太子自身が葬儀に参列するためやむを得ず執られた措置でした。
 日本による食糧生産援助20年は典型的なジャポニカ切手です。5nu切手6種連刷で伝統的な耕作(牛)、田植え、脱穀、現代の耕作(機械化)、苗植え、脱穀のシーンの写真が使われています。シート地に日本のODA(政府開発援助)のロゴも入っています。欲を言えば、この6種連刷シートと同時発行された30nu切手1種を収めた小型シートの方も頒布して頂きたいです。その理由は牛を使って自ら耕作する現ブータン国王ジグメ・シンゲ・ワンチュク王が登場しているからです。現国王は既にして名君として歴史に名を残すであろうとの誉れも高く、その写真を使った切手はいずれ様々なテーマで使うことができるでしょう。
 連帯アジア津波救済は、郵趣誌の私の連載記事"ワールド・スタンプNOW"でも取り上げましたのでご存じの方も多いはず(4月号P.33参照)。向かって左は新普通切手マリアンヌ図案で無額面切手の0.50ユーロ、右は仏赤十字への寄附金0.20ユーロ、計0.70ユーロの寄附金付き切手です。左側の切手図案と右側の寄附金表示図案との間に目打が施されておらず、あたかも1枚の切手のように仕立てられているこのスタイルはフランス切手独自のものです。

 毎月1,940円(3リーフで1,700円+送料240円)で解説リーフに収められた状態で頒布されます。費用的には割高なようでも解説リーフがあるおかげでずいぶん助かっています。後になって郵趣雑誌を逐一めくって探さなくても、発行当時の事情等がすぐにわかるからですね。おもしろ切手コレクターさんには超お薦めの頒布会ですよ。

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June 12, 2005

2004年総集編を編集中

 2004年の総集編であります「HYPER Philatelist CD-ROM2004」を鋭意編集中です。目標としては今月中に編集を終わらせて来月から頒布開始したいと思っています。2003年版と同様、単なる寄せ集めではなく、大幅に加筆したり図版をよりよいものに差し替えたり、書き下ろしの記事を加えたりしています。容量を空けるため、CDの完成にあわせてこのブログの2004年の記事は削除する予定ですのでよろしくお願い致します。
 詳しい内容については後日改めてご案内させて頂きます。

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June 06, 2005

モデルはエチオピアの女の子

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 新切手をチェックしていましたら左の切手を見つけました。グレナダが発行した「国際ロータリー100周年」記念小型シートです(図は切手部分のみ抜粋)。それに登場しているふたりの子供の写真が、見ての通り日本が発行した同記念切手とまるまる同じではありませんか。"あの"グレナダですからパクリか?とも思いましたが、同国の切手代理発行契約会社のIGPC(Inter-Governmental Philatelic Corporation)がロータリー相手にそこまでしないだろうとも思いました。で、改めてインターネットでちょいちょいと調べましたら、やはりきちんとしたソースがありました。切手に使われた写真の出典については「郵趣」誌2005年4月号にも詳しくは掲載されておりませんでしたので後事のためにご報告しておきます。

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 ロータリー・インターナショナルが行ったポリオ撲滅運動の写真。ポリオワクチンの経口投与を受けたことを意味するインクのついた指を示す3人の少女。エチオピアのアジス・アベバにて2002年10月、ジャン=マルク・ジブー撮影。
(原文)
 Three girls show their fingers marked with indelible ink after receiving the oral polio vaccine funded by Rotary International - Addis Ababa, Ethiopia - October 2002. Photo Credit: Jean-Marc Giboux.

※オリジナルの写真とその説明文はhttp://www.rotary.org/newsroom/presscenter/photos.htmlに掲載されています。

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