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September 15, 2004

アメリカ初の三角切手

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 アメリカ郵政は妙なところがあります。世界に先駆けて!の先進的なプランを実行するかと思えば、意外に保守的な側面をも濃厚にあわせ持っているからです。

 上掲はアメリカでの通算第9回目の開催にあたる国際切手展PACIFIC'97の記念切手で、タイトル通りアメリカ初の三角切手です。第9回と言えば単なる通過点の印象しかありませんが、1997年という年は、アメリカが1847年に最初の切手を発行してから150年の節目の年であったがために、このような大奮発な切手を発行したのでした。初の三角切手へのチャレンジという先進性とは裏腹に、その歴史を反映して切手展の舞台となったカリフォルニアの19世紀中頃の輸送シーン「クリッパー(快速帆船)」と「郵便馬車」を主題にし、しかも伝統的な凹版印刷で発行する古めかしさとの組み合わせがいいではありませんか。この一件だけを見ても、アメリカの古さと新しさの奇妙な同居関係が伺えます。
 言われて初めて気付くことの例では、なぜかアメリカ郵政は寄附金つき切手の発行に冷淡で、最初の寄附金つき切手が世に出たのは上掲切手発行翌年の1998年「乳ガン研究」です。かと思えばアメリカ初の円形切手は、同時に同国初のホログラム切手であり、なおかつ同国初の円形小型シートでもある「国際切手展2000/Space Achievement」(2000年発行)という極端な前衛的切手です。あるいはまた、つい先頃、著作権や肖像権の侵害が危ぶまれるとの理由で、世界各国で実用化されているPスタンプについては同国の審議会が発行を認めないとの厳しい答申を出しました。

 アメリカ切手を鑑賞する時は、デザインに込められた古さと新しさの奇妙な緊張関係を意識してみてください。歴史の浅い国ならではの、古式に対する感覚が私たちとはずいぶん違うことを感じ取ることができますよ。

(アメリカ1997年発行/購入参考価格:2種で200円)

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